プレスティッジ・レーベルの最盛期にハウスピアニストとして数多くの作品にサイドマンとして活躍し、モールス信号と称される独特のスウィング感は聞き込むほどに引き込まれ、その単調な響きに魔性すら感じられるピアニスト、マル・ウオルドロン。彼は多くの日本のジャズファンの中でも、別格の人気を持つピアニストである。

1926年8月16日、ニューヨークに生まれたマル・ウオルドロンは、当初クイーンズ・カレッジでクラシック音楽の専門教育を受け、ジャズピアニストとしての経緯は1949〜1953年ビッグ・ニック・ニコラス、マイク・ケベックなどのグループでピアノを弾き、本格デビューは1954年チャールス・ミシガンのジャズ・ワークショップに参加してからで、彼のユニークな奏法は50年代〜60年代のファンキージャズ、ハードバップの隆盛により次第に注目されていくのである。

1954年4月〜1959年7月11日、ビリー・ホリディの伴奏者を努め
1955年〜1961年、プレスティッジ・レコードのレコーディング、セッションに次々に参加、その間リーダー・アルバム8作を記録している。
1965年、ヨーロッパに渡る
1967年、西ドイツ、ミュンヘンに居を定め、活動の拠点をヨーロッパに移す事となる

 作曲家としても数多くの曲に名を残しており、歌心あふれたメロディックな楽曲は定評がある。特に1959年春に作曲した「レフト・アローン」は彼の人間性、音楽性を色濃く反映したもので、演奏の底に流れる情念的な灰暗さ、哀歓、情緒感は日本人の持つセンチメンタルな心を捉えてやまない。

 

リーダーアルバム

「MAL-1/MAL WALDRON」1956年11月9日(Prestije)
「MAL-4/MAL WALDRON」1958年9月26日(Prestije)
「LEFT ALONE/MAL WALDRON」1960年(Bethlehem)
「ALL ALONE/MAL WALDRON」1966年3月1日(G.T.A)   等々

 
「ジャズの話」のTOPへもどる